中学生の内おおよそ半数が1.0%未満の視力しか持っていないというデータもあり、今後もこの傾向が続くと予想され問題になっています。
しかしながら、子供が近視になる原因は後天的な要素がほとんどであり、両親の遺伝が占める割合はわずか5%程度とされています。このことからも生活環境が子供の視力に与える影響が大きいことが理解できます。
病気や怪我と違って近視には痛みなどのような明確な自覚症状がありません。
そのために子供は近視になっている事を自覚する事が困難です。「なんとなく物が見にくい気がする…」と思っていてもそれが近視であるとは判断できないのです。
学校や保健所での検査でようやく近視が発見されることが往々にしてあります。
ここで成長期に近視にかかると進行が早くなってしまう点が問題になってきます。
子供の眼の成長は5~6歳頃から機能が完成していくのですが、6~10歳の間に近視にかかった場合はその進行度が特に早いとされ注意しなければなりません。早期発見、早期の治療がなによりも重要です。
とはいえ子供の近視は早期に発見し、適切な処置を受けることで十分視力を回復するチャンスがあります
。
子供の眼は近視にかかった場合の進行速度も速いのですが、回復力も高いという特徴も備えています。
眼自身が持っている調整機能を向上させることで眼鏡などを用いた矯正を行うことなく視力を回復させる可能性が残っています。
普段から子供の視力の現状について把握するよう努めましょう。手法としては家庭内にある時計や絵本などを利用するのが手軽で実践しやすいのでおススメです。
もちろんそれ以前に近視にならないよう視力低下の原因になりそうな要素を普段の生活から取り除くなど改善を心がけていくのが大切な事は言うまでもありません。
「近視は遺伝」と決め付けていませんか?
医師から近視は遺伝などと、いわれると妙に諦めてしまいますが、そうではありません。
ほとんどの場合原因は外的環境です。
そもそも、子供の眼はやや遠視気味です。(関連記事:目が見える仕組みと近視について)
上の記事にも詳しく書いていますが、子供の視力が近視方向に進むこと自体はおかしくありません。
しかし、外的環境(ゲームなどの目の酷使)や生活習慣をそのままにしておけば必要以上に目が近視の方向にすすみ視力は悪化します。
医者も人が何故近視になるかはわかっていない。
意外なことに人が何故、近視になるかについては医学的にはメカニズムはわかっていないのです。
したがって、医者も何故お子さんが近視になっているかはわからないのです。
実は、近年、京都大学で近視(近眼)の発症に関わる遺伝子変異が発見されました。
しかし、これは2015年3月31日に発表されたばかりです。
つまり、つい先日の話です。
さらに、上の研究成果にはっきりとかいてあります。『現時点では、まだWNT7B(※近視(近眼)の発症に関わる遺伝子)がどのように近視を発症させているのかは分かっていません』と。
また、当然ですが、眼科は目の専門家ですが、遺伝子の専門家ではなく、京都大学の遺伝子の専門家がわからないことを眼科のドクターが分かるはずはありません。
つまり、「近視は遺伝だから仕方ない」などと診断や判断は全く根拠はなく、あくまで「遺伝かもしれないな」という推測だけにしか過ぎません。
したがって、「近視は遺伝だから諦めよう」という判断は最後の最後までしてはいけません。