子どもの目の異常を早期発見しようと、龍ケ崎市は6月下旬から、4歳児を対象に目の健診を始める。市内の眼科医師の要望などを受け実現した。健診では、視能訓練士が目の動きを観察したり、新たに専門の医療機器を導入したりして、通常の視力検査では見つけにくい斜視や弱視といった目の異常を発見する。市と健診の実施を提案した眼科医師は「視力は幼児期に発達する。この時期に、目の異常をいち早く発見して、適切な治療に結び付けることが大切」と説明する。
市保健センターによると、目の健診は、保健師のほかに、視力回復のための検査やリハビリ指導などを行う視能訓練士が参加することが特徴。通常の視力検査のほかに、(1)視能訓練士が子どもと対面して目の動きを観察するなどして斜視を判別する(2)目の屈折を測る専門の医療機器を用いて近視、遠視、乱視の程度を測定する(3)絵が浮き上がるカードを使って物が立体的に見えるかを検査する-などを行う。健診により、斜視や弱視が疑われる場合は専門医を紹介する。
市ではこれまで、3歳5カ月児健診の中で視力検査のみを実施。しかし、眼鏡などで矯正しても正常の視力に達しない弱視や、左右の目の向きがずれていて場合によっては物を立体的に見ることができない斜視などは、通常の視力検査だけでは分からないことがあるという。新たな健診により、今後は早期に目の異常を発見できる可能性がある。
健診の実施を提案した松本アイクリニック(同市馴柴町)の松本容子院長は「小学生になってから弱視と分かるケースが目立つと感じていた。視力の発達は幼児期がピークなので、その時期に健診で目の異常を見つけて治療しないと、手遅れになる可能性が高い。この健診により、目の異常を早期発見できる」と目の健診の意義を話した。
4歳児(2013年4月1日以降に生まれた幼児)を対象にした目の健診は、28日午後1時から、同市馴馬町の市保健センターで行う。問い合わせは、同センター(電)0297(64)1039。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170621-00000012-ibaraki-l08